少し前に患者さんが来ました。
円形脱毛症で抜け毛が
続く方でした。
他の情報はご懐妊されていて、
年内出産予定です。
ある日突然円形脱毛症が
ある事を発見。
その後抜け毛も自覚。
近所の診療所を受診して
育毛剤が処方されましたが、
改善しませんでした。
当然納得できず心配が続くので、
都内某クリニックを受診。
そこの院長先生のご専門は、
皮膚科で脱毛症。
脱毛症専門外来を持つ
大学病院の教授でした。
患者さん 「先生、抜け毛は
止まるのでしょうか?」
先生 「抜け毛は止まらないよ。」
患者さん 「...」
先生 「妊娠しているのでしょ?
なら出産したらもっと抜けるよ」
患者さん 「...」
こういうやり取りがありました。
当然納得も安心も出来ないため、
当院自費体質改善外来を受診しました。
病状は単発型円形脱毛症
抜け毛はあるが軽度
当方の見立てとしては、
「適切な原因対処を行えば、
6ヶ月前後以内に抜け毛は停止
その時に髪形の変化はあっても軽度」
とお伝えしました。
現在は治療準備のために
検査結果を待つところです。
抜け毛は脱毛症進行している状態です。
文献でも言われているし、
実際よく経験することですが、
原因から発生する
脱毛症のタイプは様々です。
妊娠と脱毛の関係は
よくある話です。
赤ちゃんのからだは、
お母さんの栄養と
お母さんの食べたもの
から出来ています。
妊娠すると
必要な栄養量が増えますので、
さじ加減が上手くいかないと
栄養障害になって、
脱毛症の原因になる事があります。
その時に生じる脱毛症は
・円形脱毛症
・代謝性脱毛症
・休止期脱毛症
と何でもありです。
皮膚科元教授の話に戻りますが、
この先生の意見は
皮膚科医としては正しいです。
日本皮膚科学会円形脱毛症
診療ガイドラインという
円形脱毛症のマニュアルがあります。
そこには
「円形脱毛症の進行期は
概ね半年位で止まる」
と述べられています。
また、
「頭髪面積1/4以上の
脱毛が生じたら
ステロイドパルス療法が
有効である。」
とも述べられています。
つまり、脱毛面積が1/4未満の
抜け毛(脱毛症の悪化/進行)を
止める方法は保険診療では
存在しないことになります。
この方針で国内の皮膚科保険診療は
行われています。
ガイドラインで述べられている事から、
日本全国どこ行っても同じです。
保険証を持って病院を受診して、
「抜け毛を止めて下さい」と
言っても、殆どのケースが
出来ない訳です。
では、「自費のクリニックに行くと
どうなのか?」というと、
AGA/FAGAという加齢性の脱毛症なら、
改善は見込まれると思います。
ご自身の髪の毛を
引っ張る度に抜ける様な
抜け毛はAGA/FAGAでは
ないです。
毎回抜け毛が
手につくような脱毛症は
病的な脱毛症です。
それは原因を見つけて
適切な治療を行うと、
抜け毛と脱毛症自体の
改善が見込まれます。
ほとんどの脱毛症治療は
原因不明に対して治療しています。
ですので再発対策ができません。
当院は出来る範囲で原因を見つけ、
そこから治療します。
原因を見つけると、再発対策ができます。
・しっかり治したい方
・少しでも再発させたくない方
体質改善外来の受診をおすすめします。