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医療機関の選び方 その1 -保険診療のみ皮膚科クリニック群-

当ブログ読者の皆様、こんにちは。

これから不定期発信で、ご自身に相応しい医療機関/民間治療院等を選ぶのに必要な情報をお伝えしていきます。

 

第1弾は、「保険診療皮膚科クリニック」です。

解説

保険診療のみで円形脱毛症治療を行っているグループです。

基本的に日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインのままに治療しています。

 

免疫異常に伴う毛包周囲の炎症反応を投薬治療で改善し発毛させるのがメインです。

意欲的な先生は紫外線療法やLED光線療法や局所免疫療法(これは自費)を行っています。

 

保険診療ですので安価です。

皮膚科専門医の先生ですと、投薬治療/凍結療法/ステロイド局所注射までなら,全国医療機関問わずに治療してくれます。

 

光線療法 (紫外線・LED) 療法と局所免疫療法は設備投資が必要になりますので、事前に問い合わせが必要になります。

 

メリット

1安価で底上げのきいた医療が日本全国どこでもやっている

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインの治療≒保険診療です。

ですので、軽症に対しての投薬治療については国内保険診療医療機関ならコンビニのごとく,日本全国どこでも安価に受けられます。

しかもガイドライン通りの治療なので、医療の質の底上げがされている事は行き先に迷う必要がないという事です。

 

2難治の場合、紹介できる医療機関の情報を持っている

同業者の情報は同業者が持っています。皮膚科の先生がめまいの専門の医療機関は基本知らないと思います。そんな感じで、皮膚科の先生は皮膚科の専門医師/専門医療機関の情報を持っているので、そこに頼ることができるのは、メリットと思います。

 

3軽症の場合は治る(原状復帰)

保険診療の皮膚科診療の場合、抜け毛がなく、脱毛面積が小さく、頭髪のみの脱毛だと、半年位通院すると大体8-9割位の可能性で治ります(脱毛した部分に髪の毛が生えます)。

 

4合併している内臓疾患を調べてくれる(希望者のみ)

円形脱毛症には時々内臓の病気が合併すると言われています。古い報告ですと8% の確率で甲状腺疾患(殆どが橋本病)、ほかに感染症(梅毒)や膠原病が言われています。内臓の病気は置いておくと大変なことになりかねないので、予め調べておくことは大切です。

 

5アトピー性皮膚炎が合併している場合はそれも診てくれる

そもそも皮膚科の先生ですので、アトピー性皮膚炎の一般的な治療も当然してくれます。

 

6誰がやっても(どの先生が治療しても)、腕の良し悪しのバラつきがない (少ない)。

保険診療は原則治療内容と投薬のさじ加減が決まっていますので、誰が治療しても結果の差がほぼ出ません。

デメリット

1ガイドライン通りの治療なので、どこにやる事が同じ

ガイドラインが作られているという事は大学病院以下同じ内容の診療が行われていますので、保険診療で医療機関を変えても、設備投資が必要な紫外線療法や局所免疫療法がなければどこに行っても同じという事になります。

 

2重症の脱毛症治療の経験が乏しい時がある

当方過去に約2年間大学病院で診療に従事した事がありますが、大学病院在籍時に重症の円形脱毛症の診療経験は全頭型脱毛症に対する局所免疫療法1ケースのみでした。軽症の円形脱毛症の治療はガイドライン通りにやっても簡単で良く治りますので、皮膚科医師なら教科書/論文読みながらでもできますが、重症例はそうでもありませんので、重症例の場合は経験/知識の差が 出てくると思います。

 

3重症例の治療成績は厳しい

基本的には脱毛している部位の炎症改善に伴う発毛治療ですので、頭髪以外に病状が広がると厳しいです。

頭髪以外の脱毛、髪型が変わる位の脱毛、抜け毛がある場合(進行期)では治療成績が下がります。

 

4抜け毛(進行期)の治療方法が存在しない

脱毛面積が広くなると入院ステロイドパルス点滴療法がありますが、面積が狭いと抜け毛の程度関係なく、治療方法が存在しません。

 

5内臓疾患を見つけてくれるだけ

皮膚科はある意味見張り台みたいな仕事の一面があります。臓器別縦割り診療制度なのでしょうがないのですが、病気が見つかると内科に紹介するだけです。内臓の病気が治ったとしても発毛するかは別件の時もあります。

 

6原因の検査と原因からの治療は基本的には行っていない

皮膚科業界では円形脱毛症の原因探しと治療は元々行う検査と治療が存在しません。

最近鉄分や亜鉛の不足を脱毛症の原因として治療している先生もいますが、当方から見るとそれでは不十分です。

 

7診療が物足りない(説明が足りない/投薬するしかやる事がない)

皮膚科診療は見た瞬間、数秒で薬が決まっています。投薬治療が主体なので見た瞬間に診療は終わっています。ガイドラインや一般的に出回っている教科書には患者さんの知りたい事は投薬治療と関係ないので書いていません。だから、話すことがありません。話を聴いても、「原因を知りたい」のような話に答える事ができません。

整形外科ならレントゲンやCT/MRI、内科だと採血、レントゲン、心電図等の検査がありますが、円形脱毛症の診療はすべて必要ありません。見るだけです。他の診療科だと検査があって診療自体にボリュームがあるのですが(あるから良い訳でもない)、皮膚科は見るだけでほぼ終わります。

物足りなさを指摘されるのもわかる話です。

 

8話を聴いてくれない

円形脱毛症の記事を書いていても、円形脱毛症の看板を出していても、実際は皮膚病全般を見ている何でも屋先生です。クリニックの場合、診療のほとんどは脱毛症以外の皮膚病です。そしてその皮膚病の患者さんの数はとても多いです。1日に300人近く診療している先生もいます。ですので、受診した時には患者さんがたくさん待っている事があり、そうなると他の患者さんとの待ち時間の兼ね合い上で診察時間が短くなる事はある意味仕方がない事となります。

 

9投薬量に上限があるため、治らないケースが残る

保険診療は公費の予算で行われているため、投薬量に上限があります。

となると、投薬量に制限がありますので、理論上本来なら効く薬でも効かない薬になっている事があります。

まとめると以下の感じになります。

 

保険皮膚科

クリニック

参考

当院

 皮膚科保険

投薬治療

皮膚科

保険処置

(ステロイド注射/

凍結療法)

皮膚科保険

光線療法

○ (エキシマライト)
漢方治療

内臓疾患

検索

△(希望者) 自費外来で○

内臓疾患

治療

× △ (疾患と程度次第)

原因検索/

原因治療

△ (ほぼやっていない) ○ (自費)
再発対策 △ (ほぼやっていない) ○ (自費)

抜け毛

治療

× ○ (自費)

瘢痕性

脱毛症

○~△ ○~△
AGA/FAGA × ○ (植毛以外)

・休止期脱毛症/

・びまん性脱毛症/

・FPHL

・男女問わずの

薄毛

×
費用 安価 希望と病状次第

医療機関受診費用

保険診療は政府が定めた金額(公定価格)で費用請求となり、また自己負担額で調整されると安価に設定されています。

3割負担受診料金(税込)/回 600円~4000円前後(血液検査をした場合)

探し方

インターネットで、「円形脱毛症 ○○駅/○○市 保険」でヒットしたところでOKです。

注意 & アドバイス

・大きな病院に行ったから、教授の外来を受診したからと言って特別な治療があるわけもない時があります。

・保険診療で治療した場合どこにいってもやる事はほぼ同じです。また、円形脱毛症の治療効果判断は3-6ヶ月かかります。ですので、「1回行って治らなかったや広がったから別の病院に行く。」の様な判断はおすすめできません。脱毛症の保険診療での治療は、即効性もないし、将来の確実な保証もないし、治療成績の良い条件は限られています。普段は職場や住まいの近所で虫刺されややけどやニキビで診てもらう先生の筈です。皮膚科専門医の先生でも、重症脱毛症や難治性脱毛症に対しては全くの素人の先生もいてもおかしくはありません。便利なアクセスの先生ですので、長くお付き合いするためにもその先生の評価を落とすような判断をしないように工夫をお願いします。

 

・インターネット(グーグル)の口コミを見て受診するでは悪評だらけだからと言って、治療の質が低い訳でもありません。

・ネット検索で上位に出ている医療機関は有名に見えます。実際は集客に力を入れている結果で、保険診療のみの場合は特別な事をやっている訳ではありません。

・保険診療の円形脱毛症診療は基本的に利益の出ない診療です。検索して有料広告が出ている場合は、大体AGAクリニックの自費注射治療です(この事の良し悪しはここでは除きます)。

・上述の条件で病状が軽い場合は、保険診療の皮膚科の先生でも十分なおります。自宅の近所の先生を頼ることは全く持ってあって良い話です。

・現段階では日本皮膚科学会の方向性として円形脱毛症の根本的な治療と再発対策は全く話題になっていませんので、保険皮膚科の先生には原因の話は期待してはいけません。元の状態への回復のみを期待すると上手く行きます。

・一部カツラ屋が専門情報サイトを作っていますが、これはある意味まとめサイトみたいなもので、そこに掲載されているからといって保険診療だと特別な治療がある訳でもないです。

・大学在籍時に脱毛症研究と診療で実績をあげた先生で、大学を離れて開業して脱毛症の治療をしていますが、保険診療の場合はその経歴があったからといって特別な保険診療の治療がある訳ではありません。